妊娠中は歯医者さんに行ってもいいの?治療しても大丈夫?心配事に答えます

2023年02月26日

西宮北口 歯医者 妊婦歯科検診を受けましょう

妊婦歯科検診で、虫歯って言われたら、どうしよう。

今、痛くないから、検診はやめておこうかな・・・と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

妊娠中は、お口の中の環境の変化により、歯周病になりやすく、虫歯のリスクも上がります。

お母さんがお口の環境を良い状態に保つことで、生まれてくる子供の虫歯リスクを下げることになります。

安定期になったら、妊婦歯科検診を受けましょう。

妊婦歯科検診では、虫歯や歯周病チェック、結果説明などをしていきます。

※検診日に治療や決められた以上の検査はできません。

治療希望の場合は、検診とは別の日にご来院いただくことになります(西宮市の場合)

いざ、治療が必要になった時によく質問されるのが、

①レントゲンの放射線、②麻酔、③薬について ④いつまで治療できますか?です。

①レントゲンの放射線について

歯科のデンタルレントゲン撮影の1枚の放射線量は、約0.008mSv

1年間に受ける日本人の自然放射線量は約2.1mSv

計算すると、年間でデンタル撮影262枚の自然放射線を浴びていることになります。

デンタル撮影1枚当たり1日半くらいです。

さらに、鉛エプロンで防護するので、胎児に対しての被ばく量はほとんどありません。

検査のメリットを考えると、許容できる範囲かと思いますが、いかがでしょう。

※胎児に影響のある放射線量は100mSv以上と言われています。デンタル撮影12500枚分です。

レントゲン検査の放射線量が少ないことがご理解いただけましたでしょうか。

それでも心配という方、遠慮なく申し出てください。

詳しく知りたい方はこちら

日本原子力文化財団

https://www.jaero.or.jp/data/03syuppan/oshiete_housyasen/oshiete_housyasen.html

②麻酔について

歯科で最も使用されている麻酔薬リドカインは、無痛分娩や帝王切開でも使用されているものです。

また、局所で分解されるため、直接お腹の中の赤ちゃんに届くというものではありません。

痛みを我慢するのは、母子、胎児ともにストレスとなりますので、痛みは我慢せずにお知らせください。

麻酔は使用可能です。

といっても、「麻酔はしたくない」という方もいらっしゃいます。

麻酔をせずに処置ができるのか、麻酔が必要なのかは事前にお知らせするようにしています。ご不安がある方はご相談ください。

③薬について

基本的には、お薬を使用しない方向で考えますが、使用しないことで良くない影響がでると考えられる場合にお薬を使用します。

痛み止めについては、アセトアミノフェンが妊娠中も比較的安全に使用できるとされていますので、(産婦人科診療ガイドライン産科編2020)どうしても必要な場合に処方します。

抗菌薬については、比較的安全性が高いといわれている薬、ペニシリン系・セフェム系を使用します。

これらのお薬にアレルギーのある方は事前にお知らせください。

④いつまで治療できますか?

妊娠中期(16週~27週)の治療をお勧めしています。

妊娠初期(0週~15週)は、ひとまず応急処置にとどめたものになります。積極的な治療は安定期に入ってからとなります。

妊娠中期(16週~27週)は、外科処置を含む一般的な歯科治療が可能な時期です。

妊娠後期(28週~39週)は、仰向けになって治療を受けることがつらくなってきます。

体調に合わせての治療となるため、短時間の処置、もしくは応急処置となります。

ですので、歯科治療は妊娠中期のうちに終わらせるのがお勧めです。

思ったよりも虫歯が多かったり、時間のかかる処置になったりすることもあります。

治療の相談はお早目にお願いします。

安定期になったら、歯医者さんでお口の中のチェックをしてもらいましょう。

※産科の先生に注意を受けていることがあれば、必ず治療前に教えてください。